【開催レポート】地域の女性リーダーがひらく、これからの事業承継と企業づくり
京都・関西の実例から学ぶ 女性後継者・女性経営者フォーラム
2026年7月31日(金)、京都・河原町御池の共創施設「QUESTION」にて、「地域の女性リーダーがひらく、これからの事業承継と企業づくり」を開催しました。
本イベントは、一般社団法人日本跡取り娘共育協会とQUESTION(コミュニティ・バンク京信)の共催、京都府の後援により実施。女性後継者・女性経営者をはじめ、地域企業や金融機関、支援機関など、事業承継や地域企業の未来に関心を持つ方々が集まりました。
家業を受け継ぐことは、単に「今ある事業を次の世代へ渡す」ことだけではありません。
受け継いできた価値を見つめ直し、新しい商品やサービスを生み出す。
組織のあり方や働き方を変え、次の世代が活躍できる環境をつくる。
今回のフォーラムでは、京都・関西で活躍する女性リーダーの実践を通して、これからの事業承継と企業づくりについて考えました。

3代目跡取り娘は、家業をどう変えたのか
第1部では、平安伸銅工業株式会社 代表取締役社長の竹内香予子氏を迎え、
「3代目跡取り娘は、家業をどう変えたのか。
“つっぱり棒博士”が生んだ、暮らしのイノベーション」
をテーマに基調講演を行いました。
竹内氏は、新聞記者として勤務した後、2010年に家業である平安伸銅工業株式会社へ入社。2015年、32歳で三代目代表取締役に就任しました。
平安伸銅工業といえば、多くの家庭で使われている「突っ張り棒」で知られる企業です。
一方、竹内氏の代では、従来の商品を守るだけでなく、「LABRICO」「DRAW A LINE」「AIR SHELF」など、暮らし方そのものを提案する新しいブランドを次々と展開しています。
長く続いてきた家業だからこそ、何を守り、何を変えていくのか。
事業を引き継ぐことをゴールにするのではなく、受け継いだ経営資源や技術、企業の強みをあらためて捉え直し、今の時代に必要とされる価値へと変えていくこと。
女性後継者が家業に新しい視点を持ち込み、次の事業をつくっていく可能性について考える時間となりました。

女性の力を、会社の力に変える
第2部では、
「女性の力を、会社の力に変える。中小企業の実践事例」
をテーマに、4名によるパネルディスカッションを行いました。
登壇したのは、
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学校法人大五洋 衣笠幼稚園 副理事長・事務長 杉本礼江氏
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株式会社手原産業倉庫 代表取締役社長 今井あかり氏
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株式会社エストロラボ 取締役会長 東山香子氏
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コミュニティ・バンク京信 支店長 谷泉氏
の4名です。
家業への参画、社員から経営者への事業承継、創業から次世代への経営移譲、金融機関におけるキャリア形成。
それぞれ異なる立場で組織や事業に向き合ってきた女性リーダーの実践をもとに、事業承継、採用、人材育成、働き方、組織文化など、地域企業がこれから向き合うテーマについて考えました。
「承継」の形は一つではない
事業承継という言葉からは、「親から子へ会社を引き継ぐ」というイメージを持たれることも少なくありません。
しかし、今回登壇した皆さんの歩みを見ると、その形は実にさまざまです。
家業に戻り、これまでの経験を生かして新たな事業をつくる。
一社員として長年経験を積み、経営を引き継ぐ。
自ら立ち上げた会社の代表権を次の世代へ渡す。
どのケースにも共通しているのは、単に「役職を引き継ぐ」のではなく、組織の未来を考えながら、それぞれの方法で次の担い手へと事業をつないでいることです。

多様な人が活躍できる会社は、強い会社になる
今回のフォーラムで大きなテーマとなったのが、「人」と「組織」です。
地域企業にとって、人材の採用や定着、次世代リーダーの育成はますます重要な経営課題となっています。
女性が活躍しやすい環境をつくることも、その一つです。
しかしそれは、女性だけのために特別な制度をつくるということではありません。
子育てや介護など、それぞれ異なる事情を抱えながら働く人が力を発揮できる会社をつくること。多様なキャリアや価値観を認め、一人ひとりが自分の力を生かせる組織をつくること。
その積み重ねが、結果として企業の採用力や定着力、そして組織そのものの強さにつながっていきます。
女性活躍を「女性のための取り組み」として捉えるのではなく、企業経営や組織づくりそのもののテーマとして考える。
そんな視点も、今回のフォーラムを通して共有された重要なテーマの一つでした。
地域の中に、次の一歩につながる関係をつくる
セミナー終了後は、QUESTION 1F HIROBAに場所を移し、登壇者と参加者による懇親会を開催しました。
事業承継は、一社だけで完結するテーマではありません。
後継者同士のつながりはもちろん、金融機関、行政、支援機関、地域企業など、それぞれ異なる立場の人たちがつながることで、新たな選択肢や挑戦が生まれます。
女性後継者や女性経営者が、自社の中だけで悩みを抱えるのではなく、地域の中で相談できる人や、ともに学べる仲間と出会う。
私たち日本跡取り娘共育協会が大切にしているのも、そうした「学びとつながり」が生まれる場をつくることです。
「跡取り娘」が、地域企業の未来をひらく存在へ
家業を受け継ぐ女性たちは、これまで築かれてきた企業の歴史や価値を受け継ぐと同時に、新しい視点を会社へ持ち込む存在でもあります。
商品やサービスを変える。
働き方を変える。
組織文化を変える。
地域との関係を変える。
その一つひとつの変化が、会社を次の世代へつないでいきます。
「跡取り娘」は、単なる後継者ではありません。
地域企業の価値を再発見し、新しい可能性を生み出しながら、未来へとつないでいく存在です。
一般社団法人日本跡取り娘共育協会では、これからも女性後継者・女性経営者が互いに学び、つながり、それぞれの会社で新しい一歩を踏み出せる場をつくっていきます。
ご登壇いただいた皆さま、ご参加いただいた皆さま、そして開催にあたりご協力いただいた皆さまに、心より御礼申し上げます。
開催概要
地域の女性リーダーがひらく、これからの事業承継と企業づくり
京都・関西の実例から学ぶ 女性後継者・女性経営者フォーラム
開催日:2026年7月31日(金)
会場:QUESTION(京都市中京区)
主催:一般社団法人日本跡取り娘共育協会
共催:QUESTION(コミュニティ・バンク京信)
後援:京都府
基調講演
平安伸銅工業株式会社
代表取締役社長 竹内香予子氏
パネルディスカッション登壇者
学校法人大五洋 衣笠幼稚園
副理事長・事務長 杉本礼江氏
株式会社手原産業倉庫
代表取締役社長 今井あかり氏
株式会社エストロラボ
取締役会長 東山香子氏
コミュニティ・バンク京信
支店長 谷泉氏



